旬の魚

季節ごとのおすすめ
春(3月~5月)
ぼたんえび(3~4月)、南蛮えび、毛がに、ずわいがに、そい、にしん、きんき、さくらます(4月~)、ますのすけ(4月~)、時知らず、やりいか、しゃこ(4/25~6/20)、うに(5月中旬~)、数の子、ほたて、ほっき(3~4月)
夏(6月~8月)
ひらめ(6~7月)、うに、真いか、たこ、チップ(6~7月)、こはだ、南蛮えび、あなご、ほたて
秋(9月~11月)
きんき、ひらめ(11月~)、そい(11月中旬~)、にしん、さば、ぶり(9月中旬~10月)、こはだ、まぐろ、ぼたんえび、南蛮えび、しゃこ(10/15~12/10)、真いか、いくら、あわび(11月~)、かき(11月~)、つぶ、ほたて
冬(12月~2月)
たち、ひらめ、そい、きんき、にしん、はっかく、やりいか、たこ、あなご、うに、あんきも、あわび、かき、つぶ、ほたて、ほっき
おすすめの魚
赤身
まぐろまぐろは寿司のなかでも人気のネタで、本まぐろ(クロマグロ)、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなどの種類がありますが、すし処貫では札幌の卸売業者から、本まぐろを仕入れています。産地は、ボストン沖(アメリカ)、大間(青森県)、戸井(函館)など。冷凍技術が発達しお店でもマイナス60℃の超低温保存ができる冷凍ストッカーを持っているので、美味しいまぐろを通年お出しできます。なお、国産の生の本まぐろの旬は秋から冬で、良いものが入った時は店内で柵どりをして冷凍保存します。本まぐろの味は、他のまぐろと違って、鉄分から来る独特の酸味や渋みと旨味が特徴です。
さくらますサクラマスは日本海やオホーツク海で生活し、1年間の海洋生活を経た後は道内などの生まれた川に遡上します。産卵期(8月下旬~10月上旬)に体が桜色になることと、桜が咲く時期に獲れることから「サクラマス」と呼ばれています。海に降りる前のサクラマスの幼魚と河川で一生を過ごすものをヤマメと呼びます。春(4~6月)が旬の魚。漁獲量では、オホーツク海沿岸部羅臼町が日本一で、日本海側の江差、寿都でも水揚げがあります。身は見た目さけに近いですが、さけより脂が多く、しっとりとした上品な味です。富山名物のます寿司は、この「さくらます」を使っているそうです。
ますのすけ鱒之介。別名「オオスケ」サケ科の魚。マスノスケには、氷河で削られた地形であるフィヨルドと大きな川が一緒にある場所が必要であり、カムチャツカ半島やアラスカ、カナダなどの河川を春に遡上して夏に産卵します。生まれた幼魚は1~2年河川生活をして降海し、海で2~5年成長し、北海道太平洋沖に回遊してきたところを捕獲されます。サケ・マスの中では最も大きく、尾びれに黒い斑点があるのが特徴。旬は4~6月。「キングサーモン」と呼ばれることがありますが、一般的なキングサーモンは養殖物が大半であり、北海道太平洋沖で獲れるのは天然物です。鮮やかなオレンジ色の身に白い縞状の脂身の筋が入ります。
時知らず春に漁獲される鮭をトキシラズ(時不知)または時鮭といいます。時鮭は日本の川ではなくロシア北部のアムール川で生まれた白鮭であり、北海道の沿岸付近を回遊しているところを水揚げされたものです。根室、釧路、十勝、日高が主な産地。
秋鮭のように産卵に向けて卵巣や精巣に脂肪分を消費していないので全身に脂がのっています。特に、ハラスと呼ばれる腹身の部分の脂は美味です。旬は5~7月。
チップ姫鱒。ヒメマスは「紅鮭」が海へ下りずに、一生を淡水で過ごしたものです。北海道ではチップ(アイヌ語で「魚」を意味するチェプ)と呼ばれています。旬は5~7月。支笏湖、阿寒湖など。淡水魚でくせがなく、あっさりとした味です。
鮭児鮭児(けいじ)とは、生後2~3年程度の未成熟な小型の鮭のことで、全身に脂がのっています。普通の白鮭と比べると一万匹に一匹しか獲れない希少な鮭で、近年は値段が高騰してしまいました。11月上旬から中旬にかけて主に知床の羅臼から網走で獲れます。
白身
ひらめ刺身、寿司ネタに用いられる高級食材で、白身は淡泊で繊細な味わいで白身ネタの代表格、縁側はシコシコとした歯ごたえとともに旨味と脂肪分が口の中に広がります。北海道では日本海沿岸と津軽海峡で獲れます。旬は一般的には秋から冬と言われています。しかし水温が低い北海道では、産卵期が夏になるため、その直前の初夏(6~7月)のひらめもおすすめです。夏が近づくとひらめが卵を産みに岸に寄って来るため、大型の太ったひらめが数多く揚がります。
そいメバル科メバル属の魚。鯛が水揚げされない北海道では、「北の鯛」「北海道の鯛」と呼ばれる高級魚です。日本海側やオホーツク海側で獲れます。一年を通して水揚げがありますが、旬は晩秋から春。脂ののった白身は、繊細で上品な旨味があります。
きんき正式名称は「きちじ」、道東では「めんめ」と呼ばれます。大きな目と真っ赤な魚体は、金目鯛と間違われますが、全く別の魚。オホーツク海側から太平洋沿岸に生息。周年漁獲があり、寒い時期は脂が乗ります。白身で肉質が柔らかく、口の中でジュワーと脂が広がります。網走では主に延縄(はえなわ)漁により魚体に傷が付かないよう漁獲されるため、鮮度が良く、市場では網走産の『釣きんき』としてブランド化されています。近年は漁獲量が減少し、超高級魚になってしまいました。
はっかく冬が旬。胴の断面が八角形なので北海道では「はっかく」と呼ばれています。本来の名前は「トクビレ」、オスの背ビレと臀(しり)ビレが体に対して非常に大きいのが特徴です。主に北海道で獲れる希少な淡水魚。白身で脂がのって歯ごたえがあり、すし、刺身、焼き物がおすすめです。
ぶり海水温の上昇により道内では2000年頃から漁獲量が増え、今では都道府県別で全国一の水揚量。秋になると道内各地(函館、余市、様似、日高、釧路、羅臼、斜里)で揚がります。鮭を獲る定置網でブリがかかることも多いそうです。道内の旬は9月中旬~10月。余市沖の定置網で漁獲される「天上ぶり」は、最高級の天然ブリとして有名です。冬の本州で揚がる寒ブリに負けないくらいの脂の乗りと上品な旨味が特徴です。
えび、かに
ぼたんえびぼたんえびは、北海道南部から四国までの太平洋側の水深300〜500mの深海に生息しています。成体で体長15~20cm程度の個体が多く、色は橙色で側面に赤い斑点を持つのが特徴です。外観が牡丹の花に似ていることが名前の由来です。北海道では噴火湾産が有名で、旬は3~4月と9~11月。特に秋のぼたんえびはエメラルドグリーンに輝く子持ちが人気です。味はとろっとして甘みと旨味が口いっぱいに広がります。みそは旨味が凝縮されており軍艦で食べるのがおすすめです。
一方、「トヤマエビ」も一般的に「ぼたんえび」と呼ばれています。日本海側の全域から太平洋北部のベーリング海にかけて分布し、水深100〜400mの深海に生息しています。色が朱色で頭部に白い斑点、背部に赤褐色の縞模様を持っているのが「トヤマエビ」の特徴で、北海道の「ぼたんえび」との大きな違いです。「トヤマエビ」は日本近海では日本海側にしか生息しておらず、富山湾での漁獲量が多かったことが名前の由来です。
南蛮えび鮮やかな赤色の身と形が南蛮(唐辛子)に似ていたことから南蛮えびと呼ばれ、正式名称は「ホッコクアカエビ」です。南蛮えびを「甘えび」とも言いますが、厳密には北欧で獲れる赤色が強く比較的小さい「ホンホッコクアカエビ」が本来の甘えびです。それより大きくてオレンジ色が強いのが南蛮えび(「ホッコクアカエビ」)ですが、よく似ていることから最近では両方とも甘えびと呼ぶようになりました。北海道の「南蛮えび」は日本海側の羽幌町、増毛町での水揚げが多く、小樽近海でも水揚げされます。春から秋が旬。ぷりっつぷりの弾力と甘みが濃いのが特徴です。
しゃこ北海道では小樽、石狩が主な産地。全国的には漁獲量が激減し、特に江戸前寿司のネタとして昔から高い評価を受けてきた「小柴のしゃこ」(横浜市金沢区「柴漁港」で揚がるしゃこ)は近年不漁が続き、2018年度を最後に流通が途絶えているそうです。一般的なものは長さが10センチ程度ですが、小樽産のしゃこは大きく15センチ程度、オスは20センチ近いものもあります。小樽での漁は、春は4/25~6/20、秋は10/15~12/10の年2回。春しゃこは、メスが卵を多く抱えており、棒状の卵の部分は朱色で歯ごたえが良くカツブシと呼ばれ、メスの方に人気があります。秋しゃこは、春にも増して身が充実してオスメスともにおすすめです。毎年11月中旬には小樽しゃこ祭りが開催されます。
毛がに道内では産地を変えながら周年漁獲があります。春はオホーツク海沿岸、夏は噴火湾、秋は道東の太平洋沿岸(釧路、厚岸、白糠、根室)、冬はえりも沖(日高)。とりわけ春のオホーツク海沿岸で獲れる「海明け毛ガニ」は、豊富な栄養をもつ流氷の下で育つため、カニ味噌がぎっしり入り美味しさ抜群でおすすめです。
ずわいがに本州の本ズワイガニは11月から3月が旬と言われていますが、北海道の紅ズワイガニの旬は3~5月。産地はオホーツク海沿岸の紋別、網走、道北、江差など。かにの中でも甘みが強く、味噌が濃厚です。
いか、たこ
真いか正式名称は「するめいか」。墨を吐き群れで行動する「墨群れ」が転訛し「するめいか」と名付けられたそうです。やりいかより小ぶりですが、耳(エンペラ)がひし形、胴が長く、足(腕)も長いのが特徴。目が薄い膜で被われ黒目が飛び出しています。旬は夏から秋。日本海を餌を求めて北上し成長する魚。函館では6~9月に最盛期を迎えますが、近年大幅に漁獲量が減ってしまいました。肉質が厚く、ねっとりとした甘さと、もっちりした食感が特徴です。また、真いかのワタはやりいかのワタと比べて大きいので、身と和えて塩辛にします。
やりいかヤリイカの名前は、先が槍のように細長く尖っていることから付けられたそうです。真いかと比べると耳(エンペラ)が胴体中央から頭の先まで伸び、胴が細長く、足(腕)が短いのが特徴。目は、黒目と白目の部分がはっきりし見た目は平です。冬から春が旬。スルメイカに比べると肉質は薄く、すっきりとした上品な甘さと切れ味のよい歯応えが特徴です。
たこ日本で主に食べられているたこは、マダコ、ミズダコ、イイダコ、ヤナギダコの4種ですが、北海道で漁獲量が多いのはミズダコとヤナギダコです。ミズダコはタコ類の中で最も大きく全長3m近くになり、水分を多く含んでいて、身は柔らかく旨味が強いのが特徴。ヤナギダコは、全長1m程度で、身が引き締まっており、かめばかむほど味がよくなるのが特徴です。タコは通年漁獲があり、旬は夏と冬。小樽近海では夏に多く水揚げされます。
光り物
にしんニシン漁で栄え鰊御殿(にしんごてん)が建つほどの歴史がある小樽ですが、昭和30年代以降ほとんど獲れなくなりました。近年ニシンの種苗放流により漁獲量が復活。2月下旬~3月には、産卵のためニシンが海岸近くに押し寄せ、オスの精子で海面が白濁する『群来(くき)』が再び見られるようになりました。浜に来る時期にちなんで、ニシンは『春告魚(はるつげうお)』と呼ばれています。
秋から冬は脂が乗り、春先までが旬。にしんは鮮度が落ちやすい魚なので、産地でないと生で食べるのは難しいと思います。本来小骨の多い魚ですが、職人の技により握りで美味しく食べられます。
こはだ東北以南の内湾で多く獲れる魚ですが、お好みで握る寿司屋としては置いておきたい魚です。内湾性の魚で、産卵期の4~5月には汽水域へ回遊します。主な産地は、東京湾、浜名湖、三河湾(愛知県)、伊勢湾(三重県)、瀬戸内海、有明海。シンコ(約4cm)→コハダ(約10cm)、→ナカズミ(約12cm)→コノシロ(約15cm以上)と成長するごとに呼び名が変わる出世魚で一年で成魚になります。旬は8~2月、新子の時期は6~7月。こはだ(特に新子)は小さい魚のため、包丁で裁くのが難しく、塩振り、酢〆など、すし職人の腕(仕事)により味が決まります。独特の香りと酢で〆ることで生まれる旨味が魅力です。
さば回遊魚のマサバは、夏すぎから秋、冬にかけて道内近海を泳ぎ本州へと南下していきます。道内では後志の寿都、道東の釧路、羅臼が主な産地。道外では、青森県の八戸、宮城県の石巻(金華沖)、茨城県の常磐沖、神奈川県の三浦半島(松輪)が有名です。いずれも旬は秋から冬。寒くなるにつれ脂が増していき、回遊するので身が引き締まっています。外国産では、タイセイヨウサバ(別名ノルウェーサバ)も回遊魚でマサバと同様に脂が乗って身が締まっています。
さんま昔は秋のはじめになると脂の乗ったさんまが道東から入荷したので、小樽の寿司屋でも旬のネタで使っていました。しかし、近年漁獲量が激減し、値段が高騰したこと、また、値段の割に小ぶりで脂の乗りのイマイチなものが多いので、最近はお出しする機会が減っています。
あわび北海道で獲れるあわびは、エゾアワビです。日本海側と噴火湾に生息し、小樽では冬に水揚げされます。身は生で食べるときはコリコリとした食感で、火を通すと柔らかくなります。良質の昆布を餌として育ったエゾアワビの身は、口の中いっぱいに磯の香りが広がり、甘みと旨味が楽しめます。生あわびは食感を、煮あわびは柔らかさとコクを楽しんでください。旬は冬。
かき北海道のカキは、身が大きくトロッとした濃厚な味が特徴です。また、道東の沿岸は年中海水温度が低いため、年間を通して真牡蠣を出荷することができます。主な産地は、オホーツクの佐呂間、道東の厚岸、釧路の昆布森(仙鳳趾(せんぽうし))。旬は昆布森が9~12月、厚岸が12月~2月、佐呂間11~1月。
つぶ正式名称は蝦夷法螺(エゾボラ)。エゾボラは、数多くあるツブ貝の種類の中で、最も大きく真つぶ(マツブ)と呼ばれ、殻がゴツゴツとしており、縦にヒレ状の突起が多数ついているのが特徴です。道内の主要産地は日高。「日高の真つぶ」としてブランド化を目指しています。食感はあわびに似たコリコリとした歯ごたえがあり、噛むと磯の香が広がります。旬は秋から初春(9~3月)。
ほたて北海道を代表する貝といえば「ほたて」。通年、道内各地で水揚げがありますが、地域によって漁の方式と旬が異なります。
オホーツク海や根室海峡地区では、地撒き(じまき)方式と呼ばれる漁法で、生まれて一年育てた稚貝を、海に放し、海底で2~4年間成長させて漁獲します。初夏から秋が水揚の最盛期。
噴火湾や日本海沿岸で行われているのが垂下方式。稚貝をロープ又はかごに入れて海中に吊るし、1~2年かけてゆっくり成長させて漁獲します。冬から春が水揚げの最盛期。
大ぶりで肉厚のほたての貝柱を揃えていますので、弾力ある歯ごたえと濃厚な旨味や甘さをお楽しみください。
ほっき北海道などで採れる「北に寄った貝」であることから北寄貝と名づけたとの説もあるホッキガイ、正式名称はウバガイ(姥貝)といいます。北海道が全国の約9割の漁獲量を占め、檜山地方を除く全道各地の砂浜海域に分布します。道内では殻長7.5cm以下の漁獲を禁止し資源保護に努めておりますが、この大きさに成長するには5年位かかるそうです。漁獲量の道内一位が苫小牧。殻長9cm以上の大型の貝だけを水揚げし、産卵期の5~6月は禁漁しています。旬は冬から春。身は薄い紫褐色で、湯通しすると鮮やかな紅色に変わります。身はシコシコした歯ごたえで潮の香が高く、噛むほどに甘みとうま味が口の中に広がります。
魚卵、その他
うに地元小樽でのうにの漁期は5/15頃~8/31、積丹半島では6/1~8/31。
エゾバフンウニ(赤うに)は、北海道から東北の水深70mほどの比較的深い場所で生息。形状は、たわしのような短い刺が特徴で殻全体はまんじゅう型(馬糞型)、身はオレンジ色が鮮やかで、濃厚かつ甘みが強いのが特徴です。1月中旬~6月は羅臼。3~5月は襟裳、日高。5月中旬から8月は小樽、6~8月は積丹半島、利尻島、礼文島。
キタムラサキウニ(白うに)は、水深30mまでの比較的浅い場所で生息。形状は黒に近い紫色で長いトゲがあり大きさが10センチほど。薄い黄色の身は淡白で上品な甘みが特徴です。5月中旬~8月は小樽、6~8月は積丹半島。7~8月は奥尻島、10~12月は松前。
いくら北海道の沿岸を回遊する鮭は、産卵期の秋に生まれた川へ戻ってくるところを海に仕掛けた定置網で捕獲されます。捕獲されたメスの鮭のお腹から取り出されたのが筋子で、この筋子から膜(薄皮)をはずしきれいに洗ってバラバラにしたものを、お店独自の漬け汁につけたものが「いくら」です。いくらの旬は9~10月。口の中で「プチっとはじける」という表現をすることがありますが、あまり固いとピンポン玉を食べている感じで、皮が口の中に残り美味しくありません。産卵直前の川で獲れた鮭や晩秋の鮭から取れるいくらは皮が固くなります。また、色は赤色よりもオレンジ色の方が鮮度がいいです。大粒でオレンジ色の皮が固くない「いくら」がおすすめです。
数の子縁起物としておせち料理に入っている数の子(卵)の親は、にしんです。にしんは主に道内の日本海沿岸に春になると産卵のため来る回遊魚です。産卵前のメスのにしんの卵巣を取り出し、薄皮をはぎ、漬け汁につけると数の子が出来上がります。北海道産の数の子は大粒でしっかりとした歯ごたえで、パリパリとした食感が楽しめます。旬は冬の終わりから春。
たち真鱈の白子。北海道では、タラの白子(精巣)のことを「たち」と呼び、マダラの白子を「真だち」、スケトウダラの白子を「助だち」と呼んで区別しています。北海道の寿司屋で「たち」と言えば「真だち」のことを指します。旬になるほど色が雪のように白くなります。口に入れるとトロリとして、クリーミーで濃厚。ポン酢で食べるのが、たちポン。軍艦もおすすめです。冬が旬。
余談ですが、真鱈はイギリスの代表料理「フィッシュ&チップス」の魚。スケトウダラの真子(卵巣)を加工したものが、タラコや明太子です。
あんきもあんこうの肝。あんこうは、扁平の深海魚で幅広い頭と大きく裂けた口、鋭い歯が特徴。冬の味覚の代表とされる高級魚で、古くから「東のアンコウ、西のフグ」と言われてきました。特に肝は、「海のフォアグラ」と呼ばれ、濃厚な味です。寒さが増すにつれ、肝にオレンジ色の部分が多くなります。オレンジ色の部分は旨味をたっぷり含んだ脂で、クリーム色の肝にオレンジ色の粒状の固まりが多いあんきもが特におすすめです。
あなご通年漁獲があり道内では津軽海峡周辺から噴火湾にかけてが産地。旬が冬の長崎(対馬)産、旬が夏の道内産、宮城産。
煮穴子は江戸前鮨の定番ねたですが、すし処貫では脂がのった大きめのあなごを炊いて冷ました後、炙って煮ツメを塗るのが特徴です。口の中に入れると香ばしく脂の乗った身がふわっと溶けるあなごをご賞味ください。